この阿弥陀如来坐像は、天正年間に比企左馬助則員が中興したと伝えられる、真言宗智山派金剛寺の本尊です。則員の父政員の持仏として、かつて阿弥陀堂に安置されていたものを、本堂に遷座したものです。
鎌倉期の作、桧材寄木造りで、像高71.0cm。玉眼をはめ、肉身部は金泥、衣部は漆箔で仕上げられています。肉髻珠(にくけいじゅ)、白毫珠(びゃくごうじゅ)はともに水晶を入れています。螺髪(らほつ)は髪際32列、地髪6段、肉髻9段に彫出しており、耳朶は環状になっています。通肩(つうけん)の納衣(のうえ)をまとい、上品上生の阿弥陀定印(あみだじょういん)を結び、結跏趺坐(けっかふざ)しています。台座は三重の蓮華座です。
膝裏に「天正三乙亥三月十五日」と「文政二己卯天五月吉日」修理の墨書銘があります。
| 所在地 |
大字中山1198 金剛寺 |
| 指定年月日 |
平成元年10月26日 |